2006/08/08

魔法の夜

最近あんま遊びにいく意欲が。。。夏なのに。
それなりに忙しいですが奄美の重圧から解放されて気楽なもんです。奄美はなんせあの炎天下で水道もなかったから、おれの発注ミスでドリンクが切れたら死人が出るな、とか。笑

とはいえちょこちょこは出歩いてたり。青山ブックセンター店内で行われた橋本一子さんのライブ行ったり、Ree.KちゃんのやってたSoft行ったり薫くんのAir、CayはGalleryの8周年、あれ?けっこう行ってるね。

そんな中、僕が一番衝撃を受けたのは、今週末にやるOVAにも出る山川冬樹さんのインスタレーション"Voice-over 山川冬樹"展。キャスターである彼の父親が生前に読み上げるニュースの音声や、幼年期の父親との何気ない会話に、時折混ざる時代の映像、ダッカのハイジャック事件、泳げたい焼くん、ひょうきん族、山本山、、見るものは彼個人のプライベートな記憶を辿りながら、その時代を生きる自分自身を反芻する。1970年代後半〜現代にかけて。
僕がほぼ同年代、個人的に同じような体験をごく最近したこともあるが、TVの砂嵐を見詰め、その影がちらちらと部屋に映し出される感じ、何とも言えない喪失感。取り返せない時間の愛おしさ。世代を超えて共感を呼ぶ、誰の胸にもあるもの。人生は豊かで、美しい。
父子の会話を記録するカセットテープを掘り起こし、構成して作品を産み出し、上映の間会場の片隅で、ある時は見つめ、ある時は居眠りし、そこに居続ける彼自身のとても大事な儀礼。その現在進行形で燻り続ける熱と余韻が、人の心を激しく揺さぶる。真夏の昼、空の広い四谷、お盆。
すべてがこのインスタレーションの一環のような、素晴らしい時間でした。

会期はもう終わりましたが、次に機会があれば是非行くことをお勧めします。
OVAでのライブもお楽しみに。