2012/02/29

線路は続くよ

宇都宮線(東北本線)へ乗って、東鷲宮のマンションの査定に行った。
始発の上野から1時間弱、まい泉のカツサンドをほおばりながら(距離が長いからか食べ物を持ち込んでいる人多い)、iPhoneの地図でひたすら線路を辿る。

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北へ延びるその線は、行けども行けども終着しない。東北新幹線と近寄ったり遠ざかったりしながら、宇都宮を過ぎ、郡山、二本松、福島、仙台と東日本大震災の名だたる被災地を通り、途中津波の直撃を受けた石巻線・気仙沼線といった路線にも接続していく。
さらに北へ進むと盛岡駅に着き、その先は第三セクターに経営が移管され、いわて銀河鉄道、青い森鉄道といった素敵な名前の路線が青森駅まで続く。

そう。まさに"上野発の夜行列車降りた時から~♪"の路線なのだ。
いまだに上野駅-札幌駅を結ぶ、北斗星、カシオペアという名の夜行列車が運行されている。

当たり前のことかもしれないが、一本の線路で繋がれた、一つ一つの駅前、住宅地、仕事場や田畑のある町で、それぞれの生活が営まれている。隣の隣のといった途切れることのない連続性の先に、生活を根こそぎ奪われた人々がいて、今も苦しんでいる。

福島は関東だし、東北だって自分たちに関係ない場所とはもちろん思っていなかった。
それでもこの地続き、線路繋がりの感覚は新鮮だった。
そして、この電車に乗って、東京の会社や学校へ毎日通ったり、避難している人だっている。

すでに東京という街自体に、東北・福島が内包されているという感覚。
頭ではわかっていたけど、路線を辿って実感した。


新幹線、飛行機で土地に入るのとまた違う。
上海-北京、イスタンブール-アンカラなど、長距離鉄道での移動は元々とても好きだった。
昔、飛騨高山まで在来線で行ったこともあったっけ。


子供2人がもう少し大きくなった時に、彼らを連れて、この電車に乗って旅をしよう。
気になった駅があれば降りて、その町を歩いて、 その町の人が食べているものを食べる。
その時こそ基準値なんて気にせずに、たらふく食べる。

そこに何があって、我々は何を失ってしまったのか。
どうやって未来をつくっていくのか、想像力をかき立てるきっかけになったら嬉しい。