首都東京のリーダーを決める都知事選が終わった。
今回は、思う所もないではないが、脱原発の意思表示をするにあたり一番良いと感じた細川へ投票。事前の予想通り舛添の勝利に終わったが、今後の戦いに向けていくつか示唆すべきポイントがあったと思う。
・ 脱原発派 細川と宇都宮の合計得票数は、一位の舛添に迫る。
→都知事選とはいえ、原発の是非について意思表示した人が半数近くいた。しかし統一候補を立てられなかった時点で負け。
・ とはいえ、2人合わせても舛添の方が上。
→コアな脱原発層だけでは世の中を変えられない事を示している。
・ 20代の投票先、1位が舛添36%、2位がなんと田母神で24%。
→日本の将来をいずれ担う世代が右傾化している?
脱原発派の中で、本家争いや思想の純度争い、どちらが前から唱えてたかなど、おれは意味がないと思ってる。 大事なのは原発を廃止する事であって、そのために一番有効な方法を取るのが良い。
思想の純度争いとは、昔の学生運動や、社会党共産党の反対運動など、「負けるのが前提」の中で育まれるもの。大事なのは変革の果実を手にして、現実を変える事だ。
そして、コアな脱原発派だけでは勝てないことも今回ではっきりしたと思う。
よりライトな層、ふわっとした雰囲気に左右される層も巻き込む事が必要だ。後乗り(相場買い)や転向派、空気読みは大歓迎であるべきだ。
住民投票で原子力発電所の建設を阻止した巻原発の例を見ても同様。
反対派と推進派、町を二分していた議論の中で、一般の主婦や商店主などへ幅広く浸透した反対派の主張が、過半数を獲得する。
彼らにとっては原発問題はイデオロギーを争う場でなく、生活に根差した決して負けるわけにはいかない戦いだったのだ。
小泉がフィンランドのオンカロ(核廃棄物最終処分場)を視察して、原発に対する考えが変わったのもよく理解できる。 uplink配給の映画100,000年後の安全はぜひ見て欲しい。
そして、20代に見られる右傾化傾向。
彼らは産まれた時から現在まで、ずっと不景気の中で育ち、強い日本、優秀な日本を実感する機会がなかった世代だ。 日常の中でも就職難や非正規雇用など、「恵まれていない・ついていない」と感じている人が多いように感じる。
同世代の成功者に対しては「うまくやった」と感じ、自分が「うまくいかない」理由は環境や教育、育ち、時代、職場など、主に自分外に見つけている。
夢を見たり口にするより、現実的な判断、思想をクール・賢いと思う。リスクをとって果実を狙うよりは傷つかない安全な道を選ぶ。
国内にやり場のない彼らの鬱憤のはけ口には、わかりやすい対象が選ばれる。主に韓国と中国。またはネット上で炎上する有名人。
強い日本を声高に叫び、国家と一体化した自分が強くなったように感じる、そんなリーダーを求める。彼らにとってのヒーローは、同世代で成功した家入ではなく、田母神なんだろう。
今後の日本を変えていくためには、20代とのギャップは真剣に考えるべき問題だ。そういった彼らと接点がないのも問題。(もしかしたらネットが彼らとの接点になるのかもしれないが)
何かに投影して自信を得るのではなく、自分自身に世界を変えられる力がある事、様々な思想や趣向を持った相手と折衝する中で、オープンで心地よい関係を創り出せる力がある事を、実感してほしいと思う。
30代、40代には、いまそこに取り組む大事な役割があると思う。
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